シトロエン SMのモデル概要

1960年代後半、数々の自動車メーカーがミドシップ・スポーツモデルを開発する中で、シトロエンはトラクシオン・アバンから続くFF方式にこだわりを持ち続けていました。そのためシトロエンは、FF方式での高性能スポーツモデルで、世界に技術力の高さを証明しようと躍起になっていました。そこでシトロエンは社運を賭けてFF方式の高性能スポーツモデルを発表します。それがシトロエンSMでした。

1970年のジュネーブショーで発表されたシトロエンSMは、当時シトロエンと提携関係にあったマセラティにエンジン開発がゆだねられ、マセラティによる新開発のエンジンが搭載されました。最高出力は170HP/5500r.p.mを発生し、最高速度は220km/hと他メーカーのミドシップモデルに決して劣らぬパフォーマンスを実現します。
またシトロエンSMは、先進的な技術を搭載したモデルとして名高いシトロエンDSをベースに開発されているため、さまざまな最先端のテクノロジーが搭載されています。最も注目すべきは、DIRAVIと呼ばれる新しい方式のパワーアシストステアリング、ステアリングと連動した可変ヘッドライト、レインセンシングワイパー、油圧式空気圧駆動システムによるセルフレベリングサスペンションなどです。
そしてシトロエンSMは、発表から2年後の1972年に最初のマイナーチェンジが行われます。燃料供給がウェーバー3基からボッシュDジェトロニックへと変更になり、出力も178HP/5500r.p.mへ向上し、最高速度も228km/hを記録しました。さらに翌年には北米輸出用として3リッターモデルが登場し、3速ATも導入されています。そして1975年までの5年間に渡り生産されたシトロエンSMでしたが、マセラティとの提携が打ち切られると同時に、12,920台が生産されて終了しました。
シトロエンSMは非常に革新的技術の詰まった名車ですが、それゆえメカとしての信頼性が低く、壊れやすくて修理代も高いという印象が一般化しており、なかなか購入のハードルが高いクラシックカーです。しかし、維持管理の手間を考えても、シトロエンSMでしか味わえない部分がたくさん詰まったモデルの為、現在も一部のエンス―ジャストの中で絶大な人気を誇るクラシックカーの名車です。

シトロエン SMの価格相場

シトロエンSMは、2010年頃から徐々に価格上昇が始まり、他のクラシックカーの相場と同じように2015年をピークに急上昇しています。そして現在は、高値を維持しながら若干上昇基調になりかかっている状況です。現状の欧米相場は、$17,500~$101,000ですが、この相場の開きは、個体のコンディションによるものです。シトロエンSMは、修理や整備に一定の専門性が求められるため、高値でもコンディションの良い個体を購入する事をおすすめします。シトロエンSMは、メカニカル的にも他に類を見ないユニークなモデルの為、今後も一定の熱狂的なクラシックカー愛好家に支持されます。さらに、生産台数が13,000台弱とクラシックカー・旧車の中でも少ない部類に入る事から、需要と供給の関係においても今後大きく値崩れする事は考えずらいクラシックカー・旧車と言えるでしょう。

《HAGERTY情報》 2018年8月時点

コンディション1(Concours) $101,000
コンディション2(Exellent) $68,000
コンディション3(Good) $36,500
コンディション4(Fair) $17,400

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シトロエン SMの詳細スペック

《販売期間》 1970-1975年
《乗車定員》 4名
《ボディスタイル》 2ドアクーペ
《エンジンタイプ》 水冷V型6気筒DOHC 2,670cc、水冷V型6気筒DOHC 2,975cc
《最高出力》 170hp/5,500r.p.m
《最大トルク》 23.5kgm/4,000r.p.m
《ミッション》 5速MT, 3速AT
《全長×全幅×全高(mm)》 4,893×1,836×1,324
《車両重量(kg)》 1,490
《最高速度》 229km/h
《生産台数》 12,920台

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