デ・トマソ マングスタのモデル概要

1966年のトリノショーで発表されたデ・トマソ マングスタは、デ・トマソ社初の市販車であったヴァレルンガに代わる本格的な市販モデルとして登場します。ヴァレルンガ同様にフォード製エンジンを用いながらも、マングスタはパワフルなV8エンジンを搭載した大排気量ハイパワースーパーカーとして、軽量スポーツカーであったヴァレルンガとは別種のモデルとして発売されます。

デ・トマソ マングスタの大きな特徴の1つが、ジョルジェット・ジウジアーロが手掛けたボディデザインです。ガルウイング式に開くアルミ製のリアセクションを特徴とした豪快で繊細なデザインは、ジウジアーロの傑作の一つに数えられています。また基本構造はデ・トマソ ヴァレルンガのシャシーを拡張させ、独立サスペンションとアンドリューガーリングブレーキを搭載したものとなっています。そして、そのシャシーのミッドシップにZFトランスアクスルを組み合わせたフォード V8エンジンをレイアウトし、最高速度250km/h、0-60マイルを7秒というパフォーマンスを発揮しました。ちなみに発売当初は標準エンジンとして289cubic inch(4,728cc)の305馬力エンジンの設定でしたが、主なマーケットとしていた北米の向けに302cu-in(4,949cc)の306馬力エンジンの設定も追加されています。

デ・トマソ マングスタは、イタリア車でありながらアメリカ製V8エンジンを搭載している珍しいモデルです。そのため、自社開発のV12やV8エンジンを搭載するランボルギーニ ミウラ、フェラーリ 365GTB/4、マセラティ ギブリなどのライバル車と比較すると価格は割安でした。しかし、フォード製の重いエンジンは前後重量配分を32:68と極端にテールヘビーにしてしまい、直進性や操縦安定性に問題を残しました。また、最低地上高もスーパーカーの中でも低く、街乗りには細心の神経を遣う必要がありました。そのため、販売面でライバル車を凌駕することはなくクラシックカーとなった現在でもマイナーな存在となっています。現存台数は200台以下と言われており、非常に珍しいヒストリックカーとなっています。

ちなみにモデル名の「マングスタ」は、コブラの天敵であるマングースを意味するイタリア語ですが、この命名の背景には同じくフォードV8エンジンを用いて当時レース界でも大活躍していたシェルビーコブラを意識して命名されています。一説にはキャロル・シェルビーとアレハンドロ・デ・トマソの間で、何らかのトラブルがあって敵対的な名前を付けたとも言われていますが、デ・トマソ マングスタの欧州向けモデルのチューニングをキャロルシェルビーが手掛けたこともあり、この説は定かではありません。

デ・トマソ マングスタの価格相場

デ・トマソ マングスタの価格相場は2006年頃から緩やかに上昇し始め、2014年に高騰します。その後はクラシックカーバブルと共に2015年を最高値としますが、現在でもピーク時の価格を若干下回る程度で高値を維持しています。当時のライバル車であるランボルギーニ ミウラやフェラーリ 365GTB/4は、1億円を超える金額で取引されるようになりましたが、その水準よりはリーズナブルになっています。そうは言っても現在の相場は欧米で$158,000-310,000ですので、決して安い値段ではありません。メカニカルな部分での低評価と、生産台数が約400台と少なく、さらに現存数は200台以下という希少性、ライバル車の相場水準のポイントから現在の価格相場が形成されています。

《HAGERTY情報》 2018年8月時点

コンディション1(Concours) $290,000-310,000
コンディション2(Exellent) $224,000-239,000
コンディション3(Good) $195,000-216,000
コンディション4(Fair) $158,000-180,000

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デ・トマソ マングスタの詳細スペック

《販売期間》 1967-1971年
《乗車定員》 2名
《ボディスタイル》 2ドアクーペ
《エンジンタイプ》 V型8気筒OHV4,728cc、V型8気筒OHV4,949cc
《最高出力》 305ps/5,000r.p.m
《最大トルク》 56.8kgm/-r.p.m
《ミッション》 5速MT
《全長×全幅×全高(mm)》 4,275×1,830×1,100
《車両重量(kg)》 1,185
《最高速度》 250km/h
《生産台数》 約400台

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