アストンマーティン DB4のモデル概要
1958年のロンドン・モーターショーで完全新設計のニューモデルとして披露されたアストンマーティンDB4は、DBシリーズを代表するエレガントなロードカーとして、今日でも非常に人気のあるモデルです。アストンマーティンと言えば、映画007シリーズが有名ですが、劇中に出てくるボンドカーは、外見上、アストンマーディンDB5だと思われていますが、厳密にはこのアストンマーティンDB4の最終シリーズが出演していました。ただ、アストンマーティンDB4の最終シリーズと後継モデルであるDB5は外見上、ほとんど違いがなく、見分けるのは困難です。
アストンマーティンDB4の開発とメカニズム
アストンマーティンDB4は、ミラノのカロッツェリアであるツーリング社のスーパーレッジューラ工法で造られました。軽量チューブラースペースフレームにタデック マレックが設計したエンジンユニットが搭載されました。このエンジンユニットは、直列6気筒DOHC3,670 ccエンジンにSUキャブレターが2機組み合わされ最高出力240馬力を発生します。また、高性能版のヴァンテージ仕様だけは、3基のSU製キャブレターを搭載し、最高出力は266馬力となりました。ミッションは4速マニュアルの設定のみで、足回りには4輪コイルスプリングが採用され、ロッキード製のバキュームサーボ付き4輪ダンロップ・ディスクブレーキが標準装備されています。
アストンマーティン DB4の年式ごとの5つの区分
アストンマーティンDB4は、合計1,110台が生産されましたが、その過程でシリーズ1～5まで細かく分類されています。
シリーズ1（1958年10月-1960年2月）
シリーズ1ではボンネットの接続ヒンジが後部についている事が特徴です。また、最初の50台を除きバンパーにはオーバーライダーが付いています。シリーズ1の生産台数は149台。
シリーズ2（1960年2月-1961年4月）
シリーズ2になるとボンネットの接続ヒンジが前側に変更されます。また、ラジエターにブラインドが付くようになる事も特徴です。シリーズ2の生産台数は349台。
シリーズ3（1961年4月-1961年9月）
シリーズ3ではテールランプが変更されました。またレブカウンターが電動式となり、ボンネットステーが2本となる事も特徴です。シリーズ3の生産台数は164台。
シリーズ4（1961年9月-1962年10月）
シリーズ4からはテールランプがボディに埋め込まれました。グリルには7本の縦線が入り、ボンネット上のスクープも低くなっています。また、シリーズ4からハイパフォーマンス仕様として有名なヴィンテージが導入されます。さらにシリーズ4の時代にコンペティションモデルとしてアストンマーティンDB4GTも開発され、95台が生産されました。この中にはザガートデザインしたボディを持つDB4GT Zagatoも19台が生産されています。シリーズ4の生産台数は314台。
シリーズ5（1962年9月-1963年6月）
シリーズ5ではボディ全長が約10cm延長される大規模な変更がされています。またラジエターには電動ファンが設置されるようになりました。ホイールも16インチから15インチに変更されている事も見極めるポイントとなります。シリーズ5の生産台数は134台。
アストンマーティン DB4の特別モデル
アストンマーティンDB4では特別モデルも生産されており、現在では非常に貴重な存在となっています。
アストンマーティン DB4GT
1959年秋にコンペティションモデルとしてアストンマーティンDB4GTが発表されました。このアストンマーティンDB4GTは、ベースモデルのホイールベースを短縮して2シーター化したものです。またエンジンは、ベースモデルよりも60馬力以上のパワーアップがされています。実際レースに投入されると、フェラーリ250GTと互角に戦える唯一の英国車と言われるほどの活躍をしています。アストンマーティンDB4GTの生産台数は95台と言われています。
アストンマーティン DB4GTザガート
アストンマーティンDB4GTの中には、ザガート製ボディを持つ19台が存在します。1960年のロンドン・モーターショーで発表され、人々の衝撃を与えました。今ではクラシックカー界の至宝のような存在となっています。
アストンマーティン DB4の諸元表・スペック
| 販売期間 | DB4：1958-1963年、DB4 GT：1960-1963年、DB4 GT ザガート：1960-1963年、DB4ヴァンテージ：1961-1963年 |
|---|---|
| 生産台数 | DB4：1110台（うちDB4 GT：95台、DB4 GT ザガート：19台） |
| ボディスタイル | 2ドアドロップヘッドクーペ、2ドアクーペ |
| サイズ（全長×全幅×全高） | DB4：4,496mm×1,676mm×1,334mm、DB4 GT：4,496mm×1,676mm×1,334mm、DB4 GT ザガート：4,267mm×1,557mm×1,270mm、DB4ヴァンテージ：4,496mm×1,676mm×1,334mm |
| 車両重量 | DB4：1,240kg、DB4 GT：1,240kg、DB4 GT ザガート：1,159kg、DB4ヴァンテージ：1,240kg |
| エンジンタイプ | DB4：水冷直列6気筒DOHC 3,670cc、DB4 GT：水冷直列6気筒DOHC 3,750cc、DB4 GT ザガート：水冷直列6気筒DOHC 3,670cc、DB4ヴァンテージ：水冷直列6気筒DOHC 3,670cc |
| 最高出力 | DB4：240hp/5,000r.p.m、DB4 GT：302hp/5,000r.p.m、DB4 GT ザガート：314hp/5,000r.p.m、DB4ヴァンテージ：266hp/5,000r.p.m |
| 最大トルク | DB4：－kg-m/－r.p.m、DB4 GT：－kg-m/－r.p.m、DB4 GT ザガート：－kg-m/－r.p.m、DB4ヴァンテージ：－kg-m/－r.p.m |
| ミッション | 4速MT |
| 駆動形式 | FR |
| サスペンション | フロント：ダブルウィッシュボーン、リア：リジッド |
| 最高速度 | DB4：224km/h、DB4 GT：243km/h、DB4 GT ザガート：246km/h、DB4ヴァンテージ：224km/h |
価格相場
アストンマーティン DB4
アストンマーチンDB4は英国が誇るクラシックスポーツカーとして今でも非常に人気があり、確実に価格は上昇しています。また、ドロップヘッドの方がクーペより高価格で取引されており2倍近い価格差があります。
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アストンマーティン DB4 ヴァンテージ
シリーズ4から導入されたアストンマーティンDB4ヴィンテージは、DB4のハイパフォーマンス仕様と言うことでベースモデルよりも高価です。ただ、相場の目安としてはベースモデルのDB4のドロップヘッドボディと同水準となっています。
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アストンマーティン DB4 GT
アストンマーティンDB4のコンペティションモデルであるDB4GTは、生産台数も少なくベースモデルよりも大きく価格相場は上がります。今や完全なるコレクターズアイテムです。
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【アストンマーティン DB4 GT】過去5年間の販売価格の推移
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アストンマーティン DB4 GT ザガート
すでに英国クラシックカーの至宝ともなっているDB4GTザガートは着実と価格上昇をしてきていますが、金額も桁違いです。クラシックカー全体で見ても最高水準の価格相場のモデルとなっています。
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バイヤーズガイド
アストンマーティン DB4の購入の際に気を付けるポイント
アストンマーティンDB4は、スーパーレッジューラ工法の非常に頑丈なつくりで信頼性は高いです。ただ、金属劣化が起こりやすい部分は、しっかりチェックする必要があります。また、ボディは意外と錆が広がっている個体も多く、レストアの際にパテが多用されていないかもしっかりチェックしてください。
アストンマーティンDB4については年式ごとにシリーズ分けされ、細かな違いも整理されていますが、実際は厳密に当てはまら無い個体も多いのが現実です。後年になって所有者が独自に改良した個体や、エンジンを載せ替えた個体など、どのシリーズにも当てはまらない状態になって頭を悩ませる個体も多いので、見極めは専門家のサポートが必要となります。
購入車両の探し方
販売されている個体は非常に少ないのですが、まずは大手販売サイトや個人売買の仲介サイトで現在販売中の車両をチェックします。
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