ベック550のモデル概要
インディアナ州ブレーメン出身のチャック・ベックが創設したベック・ディベロップメント社が、ブラジルにあるフォルクスワーゲンの工場を買収し、1953～56年に生産されていたポルシェ550スパイダーのレプリカを製造したのがベック550スパイダーです。ベック550スパイダーの元となったオリジナルのポルシェ550スパイダーは、1953年のパリオートショーで発表され、1956年まで販売されます。ポルシェ356をベースに、より軽く、レースで勝つためのモデルとして開発され、ル・マンなどの大舞台で活躍した名車です。
チャック・ベックは、ポルシェ550スパイダーのフレームデザインに忠実に従いながらブラジルで生産されたファイバーグラス製ボディを使用して、550スパイダーのレプリカを開発します。一方ボディやフレーム以外は、すべてVWビートルのパーツを活用することでコストダウンをはかり、ベック550スパイダーを低価格で楽しめるレーシングカーとして完成させました。
ベック550スパイダーは、スペースフレームに125 bhpのパワーを発生する1,915 ccエンジンを搭載しています。また、$6,800のオプション料金を支払えば、155 bhpの2,160 ccエンジンユニットにアップグレードされ、0-60マイル5.1秒という運動性能を発揮します。その他の動力機関の大半もブラジルで生産されたフォルクスワーゲン製のユニットですが、実際にはベック550スパイダーはオリジナルであるポルシェ550スパイダーより速いです。
現在オリジナルのポルシェ550スパイダーは数億円で取引されており、ほとんどの愛好家の手の届かないところまで上昇してしまいましたが、ベック550スパイダーであれば、程度の良い車はまだまだ充実しています。クラシックカー投資としては、ポルシェ550スパイダーのように大きく価格が上昇することは期待できませんが、名車550スパイダーをドライブする楽しみは十分味わえます。ベックの製造クオリティは本当に高く、素晴らしい運転感覚が再現されており、官能的な時間を過ごすことが出来ます。
ベック550の価格相場
ベック550スパイダーの相場は2014年末までは緩やかに下降していましたが、その後大きく上昇します。他のレプリカモデルも同じですが、レプリカモデルの価格相場はオリジナルモデルの価格相場に追随します。この時は、クラシックカーバブルの中でポルシェ550スパイダーが天文学的な価格へ高騰したためにレプリカモデルであるベック550スパイダーの需要が高まりました。ちなみに欧米では、オリジナルモデルが数億円という取引相場になってしまうとオーナーが気軽にドライブして楽しめなくなるため、レプリカモデルを購入して楽しむことが多いようです。
現在ベック550スパイダーは、欧米で＄17,600-52,500の相場で取引されています。一昔前は日本でも販売されている個体をよく見かけましたが最近はめっきり見なくなりました。
《HAGERTY情報》 2018年8月時点
コンディション1（Concours） ＄52,500
コンディション2（Exellent） ＄32,600
コンディション3（Good） ＄23,500
コンディション4（Fair） ＄17,600
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ベック550の詳細スペック
《販売期間》1986-1995年
《乗車定員》2名
《ボディスタイル》2ドアオープン
《エンジンタイプ》直列4気筒DOHC 1,915cc
《最高出力》-ps/-r.p.m
《最大トルク》-kgm/-r.p.m
《ミッション》4速MT
《全長×全幅×全高（mm）》－×－×－
《車両重量（kg）》690
《生産台数》 -台