オスカMT4のモデル概要

現在、オスカ社は一般に知られている自動車メーカーではありませんが、マセラティを創業したマセラティ兄弟がマセラティ社を去った後に興した自動車メーカーとしてエンスージャストの間では有名です。

1947年にマセラティ社の経営権を握っていたオルシ家と会社の方向性の違いから決別したマセラティ兄弟は、故郷のボローニャでレーシングカー専門メーカーを立ち上げます。それが”O.S.C.A (Officine Specializzate Costruzioni Automobili)”でした。

純粋なレーシングカーエンジニアだったマセラティ兄弟は、オスカ社の目標をグランプリレーサーではなく、小排気量レーシングスポーツカテゴリーで勝利するレーシングカーの開発としました。そして1948年マセラティ兄弟は、OSCAの第一号車となる”MT4 (Maserati Tipo 4 cilindri)”を完成させます。

そのオスカMT4は1948年のG.P.DI NAPOLIでの総合優勝を皮切りに、1949年CIRCUITO DI PESCARA、同年G.P.DI MADRIDと勝利を重ねます。そして迎えた1950年のMille Migliaでは、Luigi Fagioli/G.DiotalleviがドライブするオスカMT4 1100が、クラス第1位、総合7位に入ります。その後もオスカMT4は1100ccクラスで抜群の強さを発揮し、Mille Migliaをはじめとするイタリア公道レースで華々しい戦歴を残しました。さらにル・マン24時間、セブリング12時間、ツール・ド・フランスなど他、イタリア国内外でオスカMT4は常にクラス上位を独占する圧倒的な強さを誇り、オスカ社の名声は一躍世界中のレース業界に知れ渡りました。

特徴的な卵型グリルはオスカMT4のアイデンティティとしてエンスージャストの中で広く認知され愛されています。

オスカMT4の価格相場

オスカMT4は生産台数も極めて少なく、ここ3年の相場は高値で安定しています。ただし、10年程度の期間で見ると大幅に価格が上昇してきたモデルであり、今後も相場が上がる事はあっても下がる事はないでしょう。オスカMT4はその輝かしいレース戦歴から現在でもMille MigliaやLe Mans Classicなどの参加資格もあることから、これら世界規模のイベントに参加したいエンスージャストの間で取引される人気車種となっています。その為、個体のコンディションよりも個体のレースヒストリーの方が価格を決定する要因になっており、購入の際はその信ぴょう性をしっかりと検証して判断されることをおすすめします。また、購入はRM sotheby’sやBonhamsのような信頼性のあるクラシックカーオークションか個人売買が中心となります。クラシックカーオークションの場合は出品時にクラシックカーの鑑定士が詳しく鑑定する為、価格の妥当性はある程度保証されますが、個人売買の場合は全て自己責任となるので、自ら判断するのではなくクラシックカー鑑定士に依頼した上で購入される方が良さそうです。

《HAGERTY情報》 2020年4月時点

コンディション1(Concours) $1,300,000
コンディション2(Exellent) $1,000,000
コンディション3(Good) $810,000
コンディション4(Fair) $670,000

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オスカMT4の詳細スペック

《販売期間》1947-1955年
《乗車定員》2名
《ボディスタイル》2ドアオープン
《エンジンタイプ》水冷直列4気筒DOHC 1,092cc
《最高出力》92hp/6,600r.p.m
《ミッション》4速MT
《全長×全幅×全高(mm)》3,550×1,350×1,000
《車両重量(kg)》530
《生産台数》 80台

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