メルセデスベンツ500E/E500のモデル概要
1990年のパリモーターショーで発表されたメルセデスベンツ 500Eは、メルセデスベンツEクラスセダン(W124型)をベースにポルシェ社と共同開発した歴史的なモデルです。当時上位モデルしか適用されていないテクノロジーを多用したのメルセデスベンツの車体に、ポルシェバイザッハ研究所でチューニングしたエンジンが搭載されました。その走りは『絹のような乗り心地に炎のような走り』と称され、現在でも非常に人気のあるモデルです。
メルセデスベンツ 500E/E500の開発
1989年、当時V8エンジンを搭載したメルセデスベンツ 500SLが人気を博したメルセデスベンツは、ミディアムセダンであるEクラス(W124)にメルセデスベンツ 500SLのV8エンジンを搭載したハイパワーモデルの開発を決定します。しかし、当時のメルセデスベンツは、他モデルの開発に追われており、この新しいハイパワーモデルの開発に経営資源を割く余裕はありませんでした。そんな中メルセデスベンツは、当時、経営不振に陥っていたポルシェ社にメルセデスベンツ500Eの開発を打診します。
ポルシェ社との共同開発
当時のポルシェは、北米市場でのポルシェ911の売上が伸び悩み、1980年代後半からの経営不振に陥っていました。また、その状況を打開するようなニューモデルも開発出来ていませんでした。そんなタイミングでメルセデスベンツから共同開発の依頼があった為、ポルシェ社は応じます。またポルシェ社は、発売から約2年間、ツッフェンハウゼン工場にて車体生産も請け負いました。その2年間に生産された500Eは、“ポルシェライン”と呼ばれています。
メルセデスベンツ 500Eのメカニズム
ポルシェがザイバッハ研究所で開発したメルセデスベンツ500Eは、ベース車両となるW124型メルセデスベンツEクラスにR129型メルセデスベンツ 500SL」のV型8気筒5.0L自然吸気エンジン「M119E50型」を搭載しました。このエンジンは最大出力330PS/5,700rpm、最大トルク50kgm/3,900rpmという強大なパワーとトルクを発揮し、4速ATながら0~100km/h 加速6.1 秒を誇ります。その大パワーゆえ、ミディアムセダンのW124型ボディにはそのまま搭載することが出来ず、車体の前半部分がほぼ作り直されます。そのボディは、大きくフェンダーが張り出し、それが、500Eと他のEクラスと見分ける特徴となっています。
最終モデル「E500リミテッド」
モデル末期には、スペシャルモデルとして専用ホイールや専用内装が施された「メルセデスベンツE500リミテッド」が500台限定で販売されました。当時日本には正規輸入されませんでしたが、現在は並行輸入された個体が国内でも存在しています。
AMGのチューニングモデル「500E-6.0 & 60E」
メルセデスベンツのチューニングを行うAMG社が手がけたチューニングモデルが「500E-6.0 &60E」です。AMG社とメルセデスベンツとの協定で「上級モデルの最大排気量(例えばEクラスでは、Sクラスの6,000cc)を超えない」というルールがあった為、メルセデスベンツ500EをベースとしたAMGモデルは、最大排気量6,000ccとなっています。
メルセデスベンツ500E/E500の諸元表・スペック
販売期間 | 500E:1992-1994年、E500:1994-1995年 |
---|---|
生産台数 | 10,479台 |
ボディスタイル | 4ドアセダン |
サイズ(全長×全幅×全高) | 4755mm×1795mm×1410mm |
車両重量 | 500E:1700kg、E500:1730kg |
エンジンタイプ | 水冷V型8気筒DOHC 4973cc |
最高出力 | 500E:330hp/5,600r.p.m、E500:325hp/5,600r.p.m |
最大トルク | 500E:50.0kg-m/3900r.p.m、E500:49.0kg-m/3900r.p.m |
ミッション | 4速AT |
駆動形式 | FR |
サスペンション | フロント:マクファーソンストラット、リア:マルチリンク |
最高速度 | 250km/h |
価格相場
メルセデスベンツ500E(前期型)
ポルシェラインと呼ばれる前期型メルセデスベンツ500Eは、まだ年式的にクラシックカーという扱いのモデルではありませんが、特別モデルの為コレクターズアイテムとして価格は上昇しています。ただし、酷使されてきた個体も多く、コンディションの良いクルマを探すのが難しいのも事実です。走行距離が少なく、コンディションの良い個体は、今後ますます希少になりますので、手に入れておいて損はないと思います。
メルセデスベンツ 500Eの現在価格
【メルセデスベンツ 500E】コンディション別の相場価格(2023年9月時点)
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メルセデスベンツ 500Eの価格推移(CLASSIC.COM)
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メルセデスベンツ E500(後期型)
後期型であるメルセデスベンツE500も、前期型500Eと同様の値動きをしています。前期型500Eがポルシェラインと呼ばれて有名ですが、後期型も非常に人気があり、人気を二分しているようです。
メルセデスベンツ E500の現在価格
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メルセデスベンツ E500の価格推移(CLASSIC.COM)
【メルセデスベンツ E500】過去5年間の販売価格の推移
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バイヤーズガイド
メルセデスベンツ 500E/E500の購入の際に気を付けるポイント
メルセデスベンツ500Eは、1日12台という限りなくハンドメイドに近い少量生産がされていました。その為、1992~1995年までの間でラインオフされた500E/E500はトータルで約1万台です。販売先はドイツ本国で5,475台、次いで北米で1,528台、日本で1,184台と続きます。またドイツから日本への並行輸入も多く、最盛期には日本には3,000台以上が存在したと言われています。しかし、近年は逆に日本から海外へ輸出されてしまい国内での台数は減っています。また、コンディションの当たり外れが非常に大きいモデルとして有名です。その為、購入する場合は、車両の整備記録や所有履歴など出来る限りの情報を集めてください。
購入車両の探し方
販売されている個体は非常に少ないのですが、まずは大手販売サイトや個人売買の仲介サイトで現在販売中の車両をチェックします。
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ご希望の車両がない場合、クラシックカー専門店に依頼します。クラシックカー専門ショップでは大手販売サイトに掲載されていないモデルでも世界中の業者ネットワークから探し出すことが出来ます。
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