日産スカイラインGTR(ハコスカ)のモデル概要
3代目スカイライン ”ハコスカ”
ハコスカの愛称で呼ばれている3代目スカイラインは、1968年から1972年に日産自動車から販売されました。
スカイラインというモデル名は、初代から開発に携わった「桜井眞一郎」が、山スキーで訪れた群馬県草津市の芳が平ヒュッテからの景観を見た際、澄み切った青空と白銀の山々の稜線に深く感銘を受け「空に続く道を駆け抜ける車のようであれ」との思いから名づけられたとされています。
この3代目スカイラインは、発売当時プリンス製(プリンス自動車工業、1966年に日産自動車と合併)のエンジンであるG15型・直列4気筒エンジンを搭載し、足回りはフロントサスにマクファーソンストラット、リアサスにリーフリジットで登場します。その後、グレードにGTが追加されたタイミングで日産製L型エンジンが搭載されることになり、リアサスもセミトレーリングアームに変更されています。ちなみにこの日産L型エンジンはアフターパーツも多く発売され、今でもチューニングを楽しめる名機として人気です。
スカイラインGTR登場
GTに引き続き、1969年にはグレードアップされたスカイラインGTR(ハコスカGTR)が発売されます。
ハコスカGTRはレースカーR380(プリンス自動車工業が開発した日本初のプロトタイプレーシングカー)直系の2リッター直列6気筒DOHCエンジンを改良した「S20型エンジン」を搭載して登場します。このS20型エンジンは、シリンダーヘッドにアルミニウム鋳造、ピストンにはアルミニウム合金製を採用し、さらにエキゾーストマニホールドには、ステンレス鋼製が使われていました。それにより最高出力160㎰、0-400m加速16.1秒、最大トルク18.0Kgf・mを叩き出し、国内では当時の最強性能を誇りました。日産自動車がレースカー由来のスパルタンなS20型エンジンを街中で扱う事を考慮して最高出力を160㎰に制限していたにもかかわらず、GTRはこのパフォーマンスを発揮していました。さらにユーザーは購入後にカムシャフトを高回転型に交換し、キャブレターをレースオプションであったソレックス44PHHもしくはウエーバー45DCOEにするだけで簡単に200㎰前後までチューンアップすることが出来ました。1972年には、ホイールベースを70㎜短縮し、重量も20キログラム以上軽量化されたKPGC10型が1972年まで生産されました。この時に2ドアハードオープンボディが登場しています。このエンジンは昭和48年の排出ガス規制に適応できず、1973年3月を以って製造終了しました。
ハコスカGTRは、見かけは一般車でありながら、走り出すとレースカー並みの高性能を持っていることから「羊の皮を被った狼」とも評され、当時も大人気となりました。実際、スカイラインGTとスカイラインGTRの外観上の大きな違いは、リアフェンダーに張り出したサーフィンラインのみです。これはトレッドを広げたための対応だといわれています。また当然のことながらレースシーンでも大活躍し、1972年10月のワークス活動の終了までに国内ツーリングカーレースでは通算52勝、49連勝という前人未到の記録を達成しました。
①日産 スカイラインGTR(PGC10型)ハコスカ セダンの価格相場
ハコスカGTRのセダンタイプPGC10型は、コンディションの良い個体を中心に2020年頃20%程度の価格上昇がありましたが、それ以降は一定の価格水準を維持しています。ハードトップクーペのKPGC10型に比べると人気の面で劣る為、価格水準は低くなっています。ちなみにハコスカGTRセダン(PGC10型)は2年間生産されていますが、年式による価格差はありません。
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コンディション1(Concours) $190,000
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日産 スカイラインGTR(PGC10型)ハコスカ セダンの詳細スペック
販売期間:1969-1970年
乗車定員:5名
ボディスタイル:4ドアセダン
エンジンタイプ:水冷直列6気筒DOHC4バルブ1989㏄
最高出力:160hp/7000r.p.m
最大トルク:18.0kgm/5600r.p.m
ミッション:5速MT
全長×全幅×全高:4395㎜×1610㎜×1385㎜
車両重量:1120kg
最高速度:-km/h以上
生産台数:832台
②日産 スカイラインGTR(KPGC10型)ハコスカ クーペの価格相場
ハコスカGTRの2ドアハードトップクーペであるKPGC10型は、2019年頃から世界のクラシックカー市場から注目が集まり始め、価格上昇基調に乗りはじめました。そして2020年になると価格相場は一気に1.5倍程度上昇します。ハードトップクーペのKPGC10型はセダンのPGC10型よりも人気があるため、価格水準は1.5倍程度となっています。またセダン同様、年式による価格差はありません。ハコスカGTRは、もともと国内でも大人気の旧車・クラシックカーでしたが、現在は世界のクラシックカーマーケットに認められ、トヨタ2000GTと共に日本が誇る名車となっています。
《HAGERTY情報》 2021年3月時点
コンディション1(Concours) $285,000
コンディション2(Exellent) $190,000
コンディション3(Good) $120,000
コンディション4(Fair) $84,000
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日産 スカイラインGTR(KPGC10型)ハコスカ クーペの詳細スペック
販売期間:1970-1972年
乗車定員:5名
ボディスタイル:2ドアハードトップクーペ
エンジンタイプ:水冷直列6気筒DOHC4バルブ1989㏄
最高出力:160hp/7000r.p.m
最大トルク:18.0kgm/5600r.p.m
ミッション:5速MT
全長×全幅×全高:4330㎜×1665㎜×1370㎜
車両重量:1100kg
最高速度:-km/h以上
生産台数:1197台