シェルビーコブラのモデル概要
1962年にキャロル・シェルビーが世に送り出したシェルビーコブラは、チューブラスペースフレームにクラシックなアルミロードスターボディとアメリカンV8エンジンを組み合わせたスポーツカーの最高峰として現在も君臨するモデルです。現在でもファンが多く、クラシックカーを代表するモデルとなっています。
シェルビーコブラの誕生と前身モデル「AC ACE」
シェルビーコブラのルーツは、実はイギリスのスポーツカーメーカー「ACカーズ」にあります。
1959年ル・マン優勝やF1参戦など輝かしい経歴を誇るキャロル・シェルビーは、引退した時から、ある計画を立ていました。その計画とは、アメリカ製のモデルで欧州メーカーのモデルにレースで勝利する事。当時のアメリカにはヨーロッパの高性能スポーツカーに対抗しうるモデルが無く、唯一シボレーコルベットが有力視されていましたが、特にコーナリング性能においてはそのシボレーコルベットも到底及ぶものではありませんでした。その為、キャロル・シェルビーは、自らの手でヨーロッパのスポーツカーに対抗できるモデルを開発しようと考えます。
一方、同じ頃ACカーズは、AC ACEという戦前のBMW製2リッター6気筒エンジンを使用したオープンロードスターを製造していました。しかし、このエンジンが生産中止となります。AC ACEに搭載するエンジン探しに奔走していたACカーズ社に、キャロル・シェルビーがフォード製260ci V8エンジンを搭載することを提案し、シェルビーコブラが誕生しました。
2018.10.13
AC エース｜AC Ace
ACエースのモデル概要 1950年にレース愛好家のクリフ・デイヴィスが、新モデルを模索していたAC社にジョン・トジェイロに頼んで開発したス...
シェルビーコブラの搭載エンジンとモデルバリエーション
シェルビーコブラには、キャロルシェルビーがチューニングを行ったフォード製エンジンが搭載されていますが、そのエンジン排気量がモデル名にもなっています。また、このエンジンは徐々にハイパワー化していきました。まず、289キュービックインチエンジン（排気量4.7リッター）を搭載するシェルビーコブラ289から始まり、最終的には500馬力を超えるパワーを発揮する427キュービックインチエンジン（排気量7リッター）を搭載するシェルビーコブラ427へモデルチェンジを行いました。
シェルビーコブラ 289
シェルビーコブラは、1962年に260キュービックインチエンジンを搭載する初期型シェルビーコブラ Mk1がデビューします。その後、すぐにエンジンをボアアップした289キュービックインチエンジンに変更し、量産体制に入ります。この量産モデルが、いわゆるシェルビーコブラ289と言われるモデルです。
シェルビーコブラ 427
1965年には510馬力の427キュービックインチのV8エンジンを搭載するシェルビーコブラ427にバトンタッチします。シェルビーコブラ427では、新たにコイルバネサスペンションを搭載し、強力なエンジンパワーを伝えるため極太のタイアに変更になりました。それに合わせ、フェンダーも大きく張り出した形状に変更されています。また、フォード社の協力によりシャシー開発も進み、フレームを太く、そして足回りにはコイルスプリングの４輪独立懸架が採用され一気に近代化が進んでいます。
シェルビーコブラのレースシーンでの活躍
シェルビーコブラは、レースでフェラーリ250GTOをはじめ多くのライバルがひしめく中、輝かしい成績を収めました。しかし、mk3のホモロゲーション取得失敗や、1965年よりフォードからシェルビー・アメリカンにレーシングチームの運営を任された事により、シェルビーコブラに代わる新たなレーシングカー「フォードGT40」の開発やチーム運営の多忙化も相まって、シェルビーコブラの量産化が進まずAC・カーズの経営難へ繋がっていきました。
シェルビー コブラの諸元表・スペック
| 販売期間 | コブラ289：1962-1965年、コブラ427：1965-1966年 |
|---|---|
| 生産台数 | コブラ289：約600台、コブラ427：348台 |
| ボディスタイル | 2ドアロードスター |
| サイズ（全長×全幅×全高） | コブラ289：3,848mm×1,549mm×1,245mm、コブラ427：3,960mm×1,720mm×1,240mm |
| 車両重量 | コブラ289：984kg、コブラ427：975kg |
| エンジンタイプ | コブラ289：水冷V型8気筒OHV 4,736cc、コブラ427：水冷V型8気筒OHV 6,997cc |
| 最高出力 | コブラ289：271hp/6,000r.p.m、コブラ427：550hp/6,700r.p.m |
| 最大トルク | コブラ289：43.4kgm/3,400r.p.m、コブラ427：65.8kgm/3,700r.p.m |
| ミッション | 4速MT |
| 駆動形式 | FR |
| サスペンション | フロント：ダブルウイッシュボーン、リア：ダブルウイッシュボーン |
| 最高速度 | コブラ289：240km/h、コブラ427：260km/h |
価格相場
シェルビー コブラ289
シェルビーコブラ289は、2008年まで価格が上昇していましたが、その後リーマンショックの影響を受けて一旦下落します。しかし、2010年頃から再度上昇基調に転じ、現在も価格は上昇し続けています。
シェルビー コブラ289の現在価格
【シェルビー コブラ289】コンディション別の相場価格（2023年6月時点）
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シェルビー コブラ289の価格推移（CLASSIC.COM）
【シェルビー コブラ289】過去5年間の販売価格の推移
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シェルビー コブラ427
シェルビーコブラ427は、289に比べ高額で取引されてきました。2014年をピークに価格上昇してきた相場ですが、一旦落ち着いたものの再び上昇しています。
シェルビー コブラ427の現在価格
【シェルビー コブラ427】コンディション別の相場価格（2023年6月時点）
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シェルビー コブラ427の価格推移（CLASSIC.COM）
【シェルビー コブラ427】過去5年間の販売価格の推移
CLASSIC.COMのデータを引用しています。
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バイヤーズガイド
シェルビー コブラの購入の際に気を付けるポイント
シェルビーコブラはクラシックレースカーの最高峰であり、現在も非常に高い人気と需要があります。世界中に熱狂的なコレクターが存在する数少ないアメリカンコレクターズカーの一つです。その為、シェルビーコブラのヒストリーは一台一台、完璧に管理されており、オリジナルの個体は正確に記録されています。その為、価格は高額ですが、来歴をしっかりと確認出来れば比較的安心して購入できるモデルです。
一方、レプリカが多く出回っているモデルですので注意が必要です。リビルドモデルやレプリカの品質は様々で、中にはオリジナルモデルとして販売されているレプリカもあります。またキャロルシェルビーが、後年になってリビルトしたCSX 4000シリーズというモデルもあり、こちらは本物ではありますが、当時のオリジナルモデルとの見極めは必要となります。
購入車両の探し方
販売されている個体は非常に少ないのですが、まずは大手販売サイトや個人売買の仲介サイトで現在販売中の車両をチェックします。
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