Triumph TR3｜トライアンフ TR3

トライアンフTR3のモデル概要

トライアンフTRシリーズは、TR1からTR7まで約30年間続いた英国を代表するスポーツカーです。プロトタイプとして発表されたTR1から数えて3代目のモデルが、今回ご紹介するトライアンフTR3です。

トライアンフTR3の開発とメカニズム

トライアンフTR3の開発は、プロトタイプである「TR1」の開発経緯にさかのぼります。

プロトタイプ「TR1」の開発

第2次大戦後、スタンダード社の傘下にあったトライアンフ社は、世の中から新しいスポーツカーの開発を求められていました。そこでトライアンフ社は、軽量オープンスポーツカーを開発を目指します。そのプロトタイプは、トライアンフロードスターを表す「TR1」と名付けられ、1952年秋のロンドンモーターショーに出品されました。トライアンフTR1は、これまでの英国スポーツカーとは異なる斬新なモデルとして期待されましたが、結局トライアンフTR1はプロトタイプに終わり、販売されませんでした。

初の市販モデル「TR2」へ

トライアンフTRシリーズの実質的なスタートは、1953年8月に量産モデルとして発売されたトライアンフTR2です。トライアンフTR2は、親会社のスタンダード社が販売していたヴァンガードの水冷直列4気筒OHV2088ccエンジンのボアを縮小した1991ccエンジンを搭載し、90馬力のパワーを発揮しました。また足回りは、フロントがダブルウィッシュボーン＋コイル、リアが1/2楕円リーフを採用し、最初から15インチのディスクホイールが装着しています。
そしてボディは、深く切り込まれたドアや飛び出したヘッドランプ、小さく奥まったフロントグリルなど他に類を見ない斬新なデザインでまとめられました。このトライアンフTR2は、価格も比較的安価だった事もあり、たちまち北米市場で人気を博しました。

2017.08.03

トライアンフ TR2｜Triumph TR2

トライアンフTR2のモデル概要 トライアンフTR2が発売された1953年当時の北米市場はMG、モーガン、ジャガーなどの新興スポーツカー...

「TR3」への進化

1955年にトライアンフTR2は、TR3へと進化します。エンジンパワーが95馬力となり、最高速度は175km/hオーバーになっています。また足回りは、フロントが独立サスペンション、リアがリアアクスルに変更され、前輪はドラムブレーキからディスクブレーキに変更されました。さらにボディデザインが修正され、少し大きな格子状のフロントグリルに変更になりました。

トライアンフTR3シリーズの変遷と特徴

トライアンフTR3は、約7年間の販売期間の中でTR3⇒TR3A⇒TR3Bと進化していきます。

トライアンフ TR3（1955-1957年）

1955年にデビューした最初のTR3は、95馬力の水冷直列4気筒OHV 1991ccエンジンに4速トランスミッションを組み合わされた以外は、先代TR2とあまり変わらない内容でした。すると、翌年1956年10月にはマイナーチェンジが行われ、エンジンパワーがさらに5馬力アップし、足回りも前輪がディスクブレーキ化されました。

トライアンフ TR3A（1957-1962年）

1957年夏になると、TR3Aと呼ばれる後期型に変更されました。主な変更点は外観で、これまでの小さなおちょぼ口のフロントグリルが、左右一杯の幅広の形状となりました。一方、機関はほとんど変更されていません。TR3Aは、1957年～1962年まで5万台以上がつくられ、TR3シリーズの中でも最も生産されたモデルとなりました。

トライアンフ TR3B（1962）

TR3Bは、TR3Aに後継モデルTR4の直列4気筒OHV2,138 ccエンジンを搭載した特別モデルです。TR3Bが発売される背景として、当時トライアンフ社は、後継モデルのTR4を北米市場に導入する事を検討していましたが、北米のディーラーにTR4が受けられるか懐疑的でした。その対応措置として、1962年5月から9月の5か月間だけTR3AをTR3Bに名称を変えてTR4と並行して販売する事になりました。結果的に、TR3Bは北米市場で3331台が販売され、そのうちの約20%が、TR3Aの1991ccエンジンが搭載された「TSF」で始まるシャシーナンバーが付く個体となり、残りはTR4の2138ccエンジンが搭載された「TCF」で始まるシャシーナンバーが付いた個体となっています。後者の方は、TR3シリーズの中で貴重なモデルの為、現在コレクターズアイテムになっています。

トライアンフ TR3の諸元表・スペック

価格相場

トライアンフ TR3

トライアンフTR3の相場は約10年間安定して横ばいとなっています。他のクラシックカーの価格が大きく上昇している動きとは対照的ですが、比較的イギリス車は、市場相場に影響されない特徴があります。

トライアンフ TR3の現在価格

【 トライアンフ TR3】コンディション別の相場価格（2024年4月時点）

クラシックカー投資研究所では、Hagertyの最新相場情報を円換算して価格提示しています。
Hagertyの相場情報についてはこちら＞＞＞Hagerty valuation（英語）

トライアンフ TR3の価格推移（CLASSIC.COM）

【トライアンフ TR3】過去5年間の販売価格の推移

CLASSIC.COMのデータを引用しています。
さらに詳細に調べたい方はこちら>＞>CLASSIC.COM（英語）

トライアンフ TR3A

TR3AもTR3と同様の価格推移をしますが、欧米ではTR3Aの方が若干高値となっている印象です。

トライアンフ TR3Aの現在価格

【トライアンフ TR3A】コンディション別の相場価格（2024年4月時点）

クラシックカー投資研究所では、Hagertyの最新相場情報を円換算して価格提示しています。
Hagertyの相場情報についてはこちら＞＞＞Hagerty valuation（英語）

トライアンフ TR3Aの価格推移（CLASSIC.COM）

【トライアンフ TR3A】過去5年間の販売価格の推移

CLASSIC.COMのデータを引用しています。
さらに詳細に調べたい方はこちら>＞>CLASSIC.COM（英語）

トライアンフ TR3B

TR3Bは生産台数も少なく貴重な為、TR3シリーズの中では一番高値で取引されています。

トライアンフ TR3Bの現在価格

【 トライアンフ TR3B】コンディション別の相場価格（2024年4月時点）

クラシックカー投資研究所では、Hagertyの最新相場情報を円換算して価格提示しています。
Hagertyの相場情報についてはこちら＞＞＞Hagerty valuation（英語）

トライアンフ TR3Bの価格推移（CLASSIC.COM）

【トライアンフ TR3B】過去5年間の販売価格の推移

CLASSIC.COMのデータを引用しています。
さらに詳細に調べたい方はこちら>＞>CLASSIC.COM（英語）

バイヤーズガイド

トライアンフ TR3の購入の際に気を付けるポイント

トライアンフTR3は、クラシックカーの中では現存数も多いモデルの為、コンディションのバラつきが大きくなります。ただ、パーツに苦労する事は少なく、また安価に手に入れられる為、良い整備工場と出会えれば長く付き合う事が出来るモデルです。

購入車両の探し方

販売されている個体は非常に少ないのですが、まずは大手販売サイトや個人売買の仲介サイトで現在販売中の車両をチェックします。

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