フィアットアバルト 124ラリーのモデル概要

1972年にデビューしたフィアット アバルト124ラリーは、ヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)および世界ラリー選手権(WRC)への参戦条件であるFIAグループ4規約(連続した12か月間に継続して500台以上を生産した市販車をベースとする事)をクリアする為に開発されたホモロゲーションモデル(特別限定モデル)です。

フィアットアバルト124ラリーの開発とメカニズム

フィアットアバルト124ラリーは、アバルト社によって、1966年に発売されたフィアット124スパイダーをベースに開発されました。パワーユニットは、フィアット124スパイダーと同じ、排気量1756ccの直列4気筒DOHCエンジンにツインチョークのウェーバー製キャブを二連装し、最高出力128馬力までチューニングされています。一方、足回りは、フィアット124スパイダーと異なり、リアサスペンションがマクファーソンストラット+コイルの独立懸架に変更されました。さらに当時としては極太の185/70VR13タイヤが装備され、そこにブレーキディスクも大経化されています。

フィアットアバルト124ラリーのボディデザイン

フィアットアバルト124ラリーのボディデザインは、ピニンファリーナが担当しました。このピニンファリーナがデザインしたモノコック構造のボディには、ボンネットやトランクフードにFRP素材が使用されており、さらにボディパネル鋼板の薄板化などの大胆な軽量化が図られています。それにより、ベース車両となったフィアット124スパイダーに比べ、車両重量は約50kg軽くなりました。

ラリー選手権への参戦と活躍


こうして開発されたフィアットアバルト124ラリーは、グループ4規定となっている500台の生産が行われると、予想外の人気を博し、最終的に1000台以上が販売されました。それにより、グループ4規約だけでなく、グループ3GTのホモロゲーションも獲得しています。

そして、本格的なレースデビューの1972年では、ヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)でコンストラクターズ部門(製造者部門)ランキング2位を獲得します。さらに翌年から正式開幕した世界ラリー選手権(WRC)でも、1975年まで連続でランキング2位を獲得し続け、同じフィアット・グループから参戦していたランチアHFストラトスの世界タイトル獲得に大きく貢献しました。

その後、フィアットアバルト124ラリーは、1976年に後継モデル「フィアット131アバルトラリー」にバトンタッチして生産終了となっています。

フィアットアバルト 124ラリーの諸元表・スペック

販売期間1972-1976年
生産台数約1000台
ボディスタイル2ドアクーペ
サイズ(全長×全幅×全高)3,914mm×1,630mm×1,240mm
車両重量945kg
エンジンタイプ水冷直列4気筒DOHC 1,756cc
最高出力128hp/6,200r.p.m
最大トルク16.2kgm/5,200r.p.m
ミッション5速MT
駆動形式FR
サスペンションフロント:ダブルウイッシュボーン、リア:マクファーソン・ストラット
最高速度190km/h



フィアットアバルト 124ラリーの価格相場


フィアットアバルト124ラリーは、イタリアンラリーカーというカテゴリーで一部の熱狂的なファンがいますが、クラシックカー全体の中ではメジャーな存在ではない為、クラシックカー市場の価格変動に影響を受けにくいモデルです。ただ、約1000台しか生産されていない希少車ですので、価格が大きく下がること考えにくく、今後もじわじわと上昇を続けていくでしょう。

フィアットアバルト 124ラリーの現在価格

【フィアットアバルト 124ラリー】コンディション別の相場価格(2022年11月時点)

最高・完璧

9,600,000

前月比 0.0%

非常に良い

5,900,000

前月比 0.0%

良い

5,000,000

前月比 0.0%

普通

3,350,000

前月比 0.0%

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フィアットアバルト 124ラリーの価格推移(CLASSIC.COM)

【フィアットアバルト 124ラリー】過去5年間の販売価格の推移

CLASSIC.COMのデータを引用しています。
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バイヤーズガイド

フィアットアバルト 124ラリーの購入の際に気を付けるポイント

フィアットアバルト124ラリーは、レース参戦用のホモロゲーションモデル(限定生産モデル)の為、当時から販売台数も少なく、販売されている個体を探すことは簡単ではありません。実際、販売されている個体を見つけても、ラリーマシンという性格上、車両コンディションには注意してください。フィアットアバルト124ラリーは、当時の大衆車イタリア車(フィアット124スパイダー)をベースにしている為、基本的な車体クオリティは高くありません。特にボディの錆や腐り、その他、金属部品の劣化は比較的激しいです。一方、レースヒストリーについては、価値を大きく上げる要素でもありますので、個体のヒストリーはしっかりと確認し、購入判断を行う事をおすすめします。

購入車両の探し方

販売されている個体は非常に少ないのですが、まずは大手販売サイトや個人売買の仲介サイトで現在販売中の車両をチェックします。

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