ロータス セブンのモデル概要
ロータスセブンは、ロータスエリートと共に1957年秋のロンドン・ショーで発表され、大きなセンセーションを引き起こしたモデルです。ロータス社がロータスセブンを開発した目的は、レース活動を行うロータス・エンジニアリングを財政的に支えるベストセラーモデルを生み出すことでした。そのため、設計面では入手しやすく安価な量産市販車部品を最大限活用され、フレームは25mm及び19mmの丸型と角断面の鋼管を使用部位によって使い分けて簡素に組み上げられました。
2017.08.01
ロータス エリート|Lotus Elite
ロータスエリートのモデル概要 ロータスは1952年の創業からレーシングカーを専門に製造を行ってきましたが、1957年のアールズコートモータ...
一方、フロントサスペンションにはロータス社のレース経験が十分活かされ、キャンバー変化の少ないダブル・ウィッシュボーンが採用されています。そしてエンジンは1172ccのサイドバルブにオースティンA30の3速ギアボックスが組み合わされ、ギアのファイナル減速比をスタンダード仕様の4.875に加えて、5.375-3.73の間に4段階を設定して、ヒルクライム、トライアル用からサーキットレースに至るまで広範な使用目的に応えられるようにしています。
また、ドアもないレーシングカーのようなボディスタイルは、たちまちスパルタ的オープンエア・モータリング愛好家の好尚に投じます。先代のロータスマーク6と同様にキットフォームで発売された事により、ガレージで自ら愛車をいじるイギリス人に大いに受け入れられた形となりました。
そして1960年にはモデルチェンジを行いシリーズ2に移行します。フレームを再設計した上で、リアサスペンションを改良し、さらに13インチホイールとFRP製ノーズカウルとウィングを装備しました。それ以後、エンジンのラインナップにはフォード105E・997cc、フォード109E・1340ccが加えられ、1962年にはコスワースチューンの116E・1498cc・95HPまでが追加されバリュエーションが大幅に増えています。
また、ロータスセブンと一部並行して、1959年にはロータスセブンの高性能版となるロータス”スーパー”セブンが発表されます。こちらはクライマックスFWAエンジンとBMC・Aタイプエンジンを備えており、これ以後、フォード100Eエンジン搭載モデルには「セブンF」、FWAエンジン搭載モデルには「セブンC」、BMCエンジン搭載モデルには「セブンB」の名称が与えられました。
そして、発売当初587ポンドだったロータスセブンの価格は、1961年発売の最廉価版では339ポンドにまで低下します。この価格がクラブマン層への普及を一層促進しました。最終的に1957年から1972年の間に全てのシリーズを合わせて約3,000台のロータスセブンが生産されています。結果的にロータスセブンは当初の開発目的を見事に達成し、ロータス社”永遠のベストセラー”となりました。
①ロータス セブン シリーズ1の価格相場
ロータスセブンの最初期モデルであるシリーズ1は、後に続くシリーズに比べ、オーナー層は走りを追求するよりもクラシックカーとして所有する方が多くなっています。ただ、クラシックフェラーリ等を初めとしたクラシックカーの投資的な潮流にはあまり影響されず、価格はほぼ一定の水準で推移しています。このクラシックカー相場に影響されない特徴は、概ねイギリス車に見られる傾向で、オーナーたちが投資家ではなく熱狂的な愛好家が多いからだと言えます。その為、今でもメンテナンスパーツは比較的安価で豊富に手に入れることができ、愛好者も多い事から情報も豊富で維持しやすい代表的なモデルとなっています。
《HAGERTY情報》 2020年9月時点
コンディション1(Concours) $60,000
コンディション2(Exellent) $38,600
コンディション3(Good) $22,000
コンディション4(Fair) $14,400
ロータス セブン シリーズ1の詳細スペック
《販売期間》 1957-1960年
《乗車定員》 2名
《ボディスタイル》 オープン
《エンジンタイプ》 水冷直列4気筒サイドバルブ 1,172cc、水冷直列4気筒SOHC 1,097cc、水冷直列4気筒OHV 948cc
《最高出力》 40hp/4,500r.p.m、75hp/6,250r.p.m、37hp/4,800r.p.m、43hp/5,200r.p.m
《最大トルク》 6.91kgm/2,500r.p.m
《ミッション》 4速MT
《全長×全幅×全高(mm)》 3,124×1,346×1,118
《車両重量(kg)》 329
《最高速度》 -km/h以上
《生産台数》 -台
②ロータス セブン シリーズ2の価格相場
ロータスセブンとしての最初のモデルチェンジであるシリーズ2もシリーズ1と同様に価格相場は非常に安定しており、一定の水準を維持しています。その為、ロータスセブンはモデルの違いよりも個体ごとのコンディションの違いによる価格差の方が大きいという傾向です。
《HAGERTY情報》 2020年9月時点
コンディション1(Concours) $49,500-50,500
コンディション2(Exellent) $36,800-36,800
コンディション3(Good) $23,100
コンディション4(Fair) $14,900
ロータス セブン シリーズ2の詳細スペック
《販売期間》 1960-1968年
《乗車定員》 2名
《ボディスタイル》 オープン
《エンジンタイプ》 水冷直列4気筒サイドバルブ 1,172cc、水冷直列4気筒OHV 997cc、水冷直列4気筒OHV 948cc
《最高出力》 40hp/4,500r.p.m、39hp/5,000r.p.m、37hp/4,800r.p.m、43hp/5,200r.p.m
《最大トルク》 6.91kgm/2,500r.p.m
《ミッション》 4速MT
《全長×全幅×全高(mm)》 3,658×1,422×1,092
《車両重量(kg)》 432
《最高速度》 -km/h以上
《生産台数》 1000台以上
③ロータス セブン シリーズ3の価格相場
ロータスセブンとしての3代目モデルであるシリー3もそれ以前のモデルと同様に価格相場は一定の水準を維持しています。
《HAGERTY情報》 2020年9月時点
コンディション1(Concours) $50,400
コンディション2(Exellent) $37,700
コンディション3(Good) $22,100
コンディション4(Fair) $15,500
ロータス セブン シリーズ3の詳細スペック
《販売期間》 1968-1970年
《乗車定員》 2名
《ボディスタイル》 オープン
《エンジンタイプ》 水冷直列4気筒OHV 1,298cc、水冷直列4気筒OHV 1,598cc、水冷直列4気筒DOHC 1,588cc
《最高出力》 84hp/6,500r.p.m、120hp/4,800r.p.m、105hp/5,000r.p.m、125hp/6,200r.p.m
《最大トルク》 14.9kgm/4,000r.p.m、15.9kgm/4,500r.p.m
《ミッション》 4速MT
《全長×全幅×全高(mm)》 3,378×1,549×940
《車両重量(kg)》 546
《最高速度》 -km/h以上
《生産台数》 -台