2017年9月9日、フェラーリ社創立70周年記念を祝うイベントがイタリア・フィオラーノ・サーキットで2日間にわたって行われ、世界各国から4,000名以上のフェラーリオーナーと約1,000台の車輌が一堂に会しました。
この祝賀イベントの中でマラネッロコンクール・デレガンスが行われ、「レーシングカー」および「ロードカー」それぞれのカテゴリーで「Best of Show」のタイトルが競われました。高い希少性と価値を備えた120台の歴史的名車が20の異なるクラスに分かれてフィオラーノの芝生に展示され、審査が行われました。その結果、1953年製の 340 MM Spider Vignale と 1986年製の Testarossa Spiderが「Best of Show」を獲得しました。
受賞した 340 MM Spider Vignale は素晴らしいレーシング・ヒストリーを持つ一台で、1953年のミッレミリアでジャンニーノ・マルゾットとマルコ・クロサーラのペアが優勝しています。一方、1986年 Testarossa Spider は、とても貴重な個体で同モデルで1台のみ製造されたスパイダー・バージョンです。これは、ジャンニ・アニエッリ氏のフィアット会長就任20周年を記念して特別にオーダーされ、1991年までアニエッリ氏本人が所有していました。
また、祝賀イベントではオークションも行われ、グロッセート基地から飛来したイタリア空軍第4航空団のユーロファイター・タイフーン戦闘機がオープニングを派手に飾りました。グロッセート空軍基地とフェラーリとは深い関係があります。それは、戦闘機の機体にもイタリアの英雄的なエースパイロット、フランチェスコ・バラッカが最初に機体に描き、現在のフェラーリのエンブレムとなっているCavallino Rampante(跳ね馬)のインシグニアが描かれているからです。
今回のオークションは、とても貴重な38台のフェラーリを手に入れようと世界中から集ったコレクターたちの熱気に包まれ、盛況に終わっています。出品車輌の中には、830万ユーロ(約10億7,700万円)で取引された特別な La Ferrari Aperta も含まれ、その収益金は全額「セーブ・ザ・チルドレン」に寄付されました。日本の納屋から発見された話題となっていた「1969 Ferrari 365 GTB/4 Daytona Berlinetta Alloy by Scaglietti」も€1.807.000 で落札されています。車輌の取引総額は、ワンメイク・オークションとしては記録的な6,300万ユーロ(約82億円)に達しています。