クラシックカーは、経済環境の影響を受けながら価格変動をしています。近年は金やプラチナ、アンティークコインなど比較しても非常に価値が上がり、注目を集めました。そこでクラシックカーの価格のお話しをしたいと思います。
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最近のクラシックカー相場はどうなっているのか
世界のクラシックカー相場は2015年をピークに現在は緩やかに下降しています。2015年までは、あらゆるクラシックカーの価値がうなぎ上りになる一種のバブル相場でした。それは世界経済の影響を受けて実物資産が注目されたこと、ニューエコノミーとして台頭してきた中国裕福層がフェラーリを中心に積極的に購入した事が原因と言われています。現在、バブル相場の勢いはなくなりましたが、歴史上クラシックカー相場は着実に価格上昇しており、株式投資よりも成長率が高い資産となっております。
また、車種別にみれば、現在でも大きく値上がりし続けている車種も多く投資チャンスは大いにあります。しっかりとした適正価格で購入すれば大抵の場合、売却する際に購入時の価格以上での売却も期待できます。
その為、クラシックカーは趣味として楽しみながら資産形成も出来る、車好きには夢のような世界だと思います。ただし、まだまだ日本では流通網が確立されておらず、情報も非常に少ない事から一握りの裕福層の車マニアの趣味のようになっていることも事実です。
クラシックカー価格を決める要素とは
長年の時を経て同じ個体が一つとしてないクラシックカーはあらゆる観点から評価を行い、価格の基準が決まっていきます。その基準を決めるのは主に以下の要素です。
①自動車タイプ
クラシックカーは趣味として所有する事も多いからセカンドカーとして楽しめるスポーツカーの人気が高く、価格が高い傾向にあります。また、レーシングカーはどの時代においても希少性が高く、人気もある為、非常に高価格で取引されています。
②メーカー・車種
今でも高級車として人気のあるメーカーが高価格で取引される傾向です。特にフェラーリ、メルセデスベンツ、ブガッティ、ロールスロイスなどが顕著です。また、アルファロメオは戦前の時代ではロールスロイスなどと並んで高級車メーカーとして君臨していた為、その時代のモデルは高価格で取引されています。また、ポルシェは現代では非常に人気のあるメーカーですが、比較的歴史の浅いメーカーであった為、価格は高騰していませんでした。しかし、近年注目が集まり、急激に高騰したメーカーです。
③生産台数
生産台数は希少性につながる為、非常に価格決定に重要な要素です。生産台数3万台以下の車種は価格が上昇していくと言われています。近年、1億円を越える価格が付くような個体は生産台数が数十台といった所が多いようです。その中でもレーシングカーはさらに生産台数が少なく10台以下となっており、非常に高価となります。
④オリジナル性
クラシックカーは永年受け継がれてきましたが、その過程で様々なオーナーの下で所有されてきます。故障の際に純正部品で修理されていない事やオーナーの趣味嗜好の中でカスタムされてきた個体も多く、新車当時の部品が全て揃っていることは稀です。その為、オリジナル性の高い個体ほど取引価格は高くなります。
⑤コンディション
クルマの持つ運動性能をどの程度保てているかは重要な要素となります。見た目は綺麗なクルマも内燃機関のコンディションが悪く、運転すると新車時のコンディションとかけ離れた個体も少なくありません。逆に非常に少量ではありますが、新車時と同じレベルのコンディションを保っている個体もあり、このような個体は非常に高値で売買されています。
⑥ヒストリー
レーシングカーが中心となりますが、レース履歴は価格を決める重要な要素となります。特にミッレ ミリアやル・マン クラシックなど世界的に有名なクラシックカーレースは、当時の出場歴のある車両に参加資格が与えられているので、限られた参加資格車両を求め価格が上昇して行きます。